広島の市街地から野山まで、どこでも気軽に楽しめる趣味が「バードウォッチング」です!
野鳥に出会える機会は意外と多く、広島県ではスズメやメジロなどよく知られた鳥をはじめ、現在340種類もの野鳥が確認されています(2024,広島県鳥類目録)。
「見つけたら幸運がやってくる(!?)」と言われている『幸せの青い鳥』も広島で出会うことができますよ!(詳細は後ほど!)

せっかく外を歩くなら、この「バードウォッチング」もぜひ一緒に楽しんでみませんか?
この記事ではバードウォッチングの魅力と必要な道具、注意点、おすすめの観察場所などをまとめてご紹介していきます!

バードウォッチングの魅力4選!
1、季節ごとの楽しみが増える!
野鳥と一口にいっても実はいくつかのタイプがあります。
・留鳥…一年中日本のほぼ同じ場所にいる鳥(スズメやカラスなど)
・漂鳥…「夏は山/冬は平地」など、季節ごとに国内で住む地域を移動する鳥(ヒヨドリ、ウグイスなど)
・渡り鳥…冬もしくは夏に別の国から日本へやってくる鳥(冬鳥:ジョウビタキ、ツグミなど。夏鳥:ツバメ、カッコウなど)
・旅鳥…日本を経由地として別の地域間を移動する鳥(ツルシギ、キアシシギなど)

このように一年中家の周りで見られる鳥もいれば、会える季節が限定される鳥もいます。
初夏にツバメの姿をみつけたり、冬にジョウビタキの鳴き声に気づけたりすると「もうそんな時期か」としばし立ち止まり、その季節や自然をゆっくりと味わうことができます。
2、実は心の健康増進効果がすごい!
イギリスの大学・キングスカレッジロンドンの研究によると「鳥の姿を見たりそのさえずりを耳にすると、不安や孤独感などネガティブな感覚は薄れ、自信や心地よさ・繋がり感などポジティブな感覚が増してメンタルヘルスが向上し、幸福感につながる」ということが分かりました。

これはうつ病など精神疾患の有無に関わらずあらゆる人に発現する作用で、その効果はなんと最長8時間も続くとのこと。
日々何気なく目にする野鳥ですが、その小さな体には大きなパワーを秘めているのです。
3、知的好奇心が広がる!
近年では「シジュウカラは人間のように文法を操り会話をしている」ということが分かってきました。
さらによく観察していると気づくのですが、同種だけでなくヤマガラなど他の鳥たちとも鳴き声に変化をつけてコミュニケーションをとっています。

また、日本人がよく知るスズメ。
彼らは仲良く群れて過ごしているように見えますが、実は基本単体もしくは小家族単位で行動する鳥で、群れは「居合わせただけの‘なんとなく安全’」という関係性。
さらに人間の住環境に依存しており山にはおらず、田畑の減少やゴミ処理の近代化などにより、なんとこの50年間で10分の1にまで減少していると言われています。

こんな小さな「へぇ〜」を楽しめるのも野鳥観察の醍醐味。
「この鳥ってどんな特徴があるんだろう」、そんな小さな疑問から「知る喜び」を増やすことができます!
4、どこでもマイペースに楽しめて、活動に広がりがある!
バードウォッチングは、自宅の窓からでも、ベランダでも、散歩中の公園でも、どこにいても始められ楽しめる手軽な趣味です。
(「必ず必要なもの」などもありませんが、「あったらより楽しめるもの」はいくつかありますので、次の項でご紹介します。)
また写真や散歩・登山などから野鳥観察が趣味になったり、逆に野鳥観察から登山やハイキングが趣味になるなど、他の健康的な活動とリンクもしやすく趣味や暮らしに広がりを持たせることができます!

見つけたらラッキー!?幸せの青い鳥とは!
冒頭でもお伝えした「幸せの青い鳥」の正体は『ルリビタキ』。
綺麗な瑠璃色の羽を持つ渡り鳥で、日本には秋冬の時期に南方より飛来します。


その可愛らしさや季節限定のレア感などから、野鳥愛好家の間でも人気の鳥となり「幸せの青い鳥」と呼ばれています!
ルリビタキは少し薄暗い藪や森のなかの開けた空間&目線より下あたりにいることが多く、同じ渡り鳥である「ジョウビタキ」とナワバリが被ることも多いため、ジョウビタキを見かけたら近くの薄暗い藪あたりもぜひ覗いてみてください。
またどちらも「ケッケッ!カッカッ!」という鳴き声が特徴的なので、鳴き声を頼りに見つけられることも多いです。(名前の○○ビタキは火焚き=火打石を打った時の音とその鳴き声が似ていることからきています。)
バードウォッチングに必要な道具

バードウォッチングはただ歩いて鳥を探すだけでも楽しめますが、以下のような道具があるとさらにその魅力が増すのでおすすめです!
・双眼鏡(8倍程度がおすすめ)
・高倍率のカメラ(光学ズーム)
・野鳥図鑑
・観察ノートや記録アプリ
双眼鏡
遠くの鳥や肉眼では見えにくい細かな模様までしっかり見えるので1つあると便利です。
高倍率のものは重い・ブレやすいなどの欠点もあるため、倍率が高ければ良いというものでもありません。初心者の方は8〜10倍のものがおすすめです。

野鳥図鑑
近年ではネットでも簡単に調べることができますが、ポケット図鑑などでも良いので手元に一冊あるといろんな情報が一度に知れて便利です。
写真やイラストが豊富なものがおすすめで、中にはページごとに鳴き声のQRコードが貼ってあるもの(スマホで読み込むと再生できる)などもあるので、興味のある方はぜひ探してみてください!
鳴き声が分かると鳥も見分けやすくなります。
高倍率のカメラ(レンズ)

最近ではコンパクトなデジタルカメラ(コンデジ)でも高倍率のものがあり、手軽に遠くの鳥を観察できる&撮影までできるため楽しみがいっそう広がります。
おすすめはコンデジの光学ズームだと30倍以上、一眼レフのレンズだと250~300mm以上のもの。
※コンデジは「デジタルズーム」だと画像の劣化があるので、間違えないよう「光学ズーム」の製品をお選びください。
趣味としてちょっと良い写真を撮りたい方の場合、高倍率で人気なのはNIKONのP950,P1000,P1100 シリーズ、CANONのSX70HSは高倍率に加えオートフォーカスも早く人気となっています。
観察ノート
いつどこでどんな鳥と出会ったか、ノートやアプリにまとめたり、写真やイラストなどで記録をしていくと、日記を書き溜めていく感覚で非常にやりがいを持て楽しく観察ができます。
ちなみに筆者は『Noteshelf3』というアプリを使っており、写真や文字入れ、手書きなどかなり自由度が高く操作性が良いので気に入って使っています!(ノートは3冊まで無料で作れます)


広島県内の野鳥観察におすすめな場所と時間帯
樹木や河川の多い広島では、特別な場所でなくとも野鳥の観察が可能です。
木の多い場所、水のある場所を中心に探してみてください。
ただ、一度にたくさんの鳥に出会いたいなら以下のような場所がお勧めです!
広島で野鳥がたくさん見られるスポット

広島市植物公園(広島市佐伯区)
コゲラ、ウグイス、ツグミ、エナガ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、トビ、ヒヨドリなど
縮景園(広島市中区)
メジロ、カワセミ、アオサギ、ジョウビタキ、シロハラ、エナガなど
みずとりの浜公園(佐伯区五日市)
ハマシギ、ミサゴ、ササゴイ、ヒドリガモ、オナガガモ、ユリカモメ、イソヒヨドリなど
宮島(広島県廿日市市)
ヤマガラ、オオルリ、ジョウビタキ、イソヒヨドリ、キクイタダキ、モズ、トラツグミ、アオバズク、コサギなど
広島城(広島市中区)
カイツブリ、シジュウカラ、ジョウビタキ、メジロ、アオサギ、キンクロハジロ、オオバン、ヤマガラなど
その他
広島市森林公園(広島市東区福田)、広島県緑化センター(広島市東区福田)、臥竜山麓八幡原公園(広島県山県郡北広島町)、広島県立びんご運動公園(広島県尾道市)、大空山公園(広島県呉市)など
野鳥観察におすすめの時間帯
野鳥は朝方、もしくは日暮前(夕方頃)に餌を求めて活動的になります。
太陽が一番高くなる正午ごろは木の上などで休んでいることも多いので、いろんな鳥に出会いたいなら朝方か夕方に出歩いてみることをお勧めします。
「広島でバードウォッチングを楽しむ」まとめと野鳥観察の注意点
バードウォッチングは、手軽に始められる自然観察の趣味です。
鳥たちとの触れ合いを通して、自然の素晴らしさや生命の尊さを感じることができます。
特に自然豊かな広島県では、特別な場所でなくてもさまざまな場所で野鳥の観察が可能です。
ただし自然と野生動物を相手とする趣味ですので、以下の点に注意も必要です。
バードウォッチングのマナー
・鳥の生育環境や自然を大切にする
・大声を出さない、驚かさない
・鳥に近づきすぎない
・巣や卵を触らない
・餌付けをしない(人の食べ物をやらない)
・ゴミを捨てない
また、山の中や河の側を歩く際には足元にも十分ご注意ください。
カメラや双眼鏡を覗きながら歩いたりすると思わぬ事故に繋がることもあります。
夢中になりすぎて水分や糖分の摂取を忘れることなどもないように!
野鳥とご自身の安全に気をつけながら、ぜひ新しい世界を発見してみてくださいね!
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